第53回研究委員会 平成12年1月21日
IJ-24-2000
「Bi2Sr2Ca2Cu3Ox酸化物超電導体の拡散接合」
新潟大学大学院生 杉渕俊一、新潟大学大学院 吉岡隆幸、山口貢、大橋 修

中間材を用いた拡散接合で超電導線材を接合し、接合部を超電導化する接合方法について検討した。中間材として超電導体の原料粉末にAg2Oを添加したものを用い、加熱温度、組成などの因子と超電導性の関係を組織学的観点から考察した。
IJ-25-2000
「拡散接合の自動車部品への適用事例」
日野自動車梶@技術研究所 黒木俊昭

従来、キャブサス用リンクレバーのレバー材には、チューブと溶接するため、鋳鋼を用いていた。今回レバー材を、コストの安いFCDに置換することを試みた。FCDの溶接は、溶融による割れや靱性低下等の問題がある。そこで、溶接の代わりに拡散接合の適用を検討した結果、信頼性の高い接合部を得ることができ、部品コストの削減が達成できた。
IJ-26-2000
第52回界面接合研究委員会議事録
IJ-27-2000
平成11年度界面接合研究委員会推定決算書、平成12年度界面接合  研究委員会事業計画(案)並びに収支予算(案)
IJ-28-2000
「5083Al合金Friction Stir接合部の硬度分布とミクロ組織の関係」
東北大学 佐藤 裕、粉川博之、昭和アルミニウム 榎本正敏、成願茂利、橋本武典
 
 5083Al合金Friction Stir接合部の硬度分布とミクロ組織の関係について検討を行った。このFriction Stir接合部の硬度分布は、全体にわたって均一であった。母材は、転位密度の低い粗大な結晶粒組織であったが、接合中の摩擦熱と塑性流動によって、接合中心付近では微細な等軸晶が、接合部の外側では回復組織を呈していた。また、接合部全体に微細な分散物が一様に見られた。5083Al合金Friction Stir接合部の硬度分布は、この微細な分散物に大きく影響を受けているものと推察される。
IJ-29-2000
「単粒溶射装置による粒子の飛行計測と基材への付着挙動解析」
竃L田中央研究所 中西和之

 溶射現象の基礎過程である溶射粒子の加熱・加速および基材への衝突付着挙動を粒子1個づつについて追うことができる単粒子溶射装置を試作した。この装置を用いて金粒子をアルミニウム基材に溶射し、粒子の温度・速度と粒子の付着挙動や界面の接合状態との関係を調査した結果、粒子の温度と速度が高温高速側の範囲で粒子と基材との界面にサブミクロン厚さの反応層が形成することが分かった。
IJ-30-2000
「平滑基材上における自由落下金属液滴の偏平に対するぬれの影響」
豊橋技術科学大学 西岡映二,松原俊和,福本昌宏

 溶射粒子の偏平現象についてのその場観察は多くの困難を伴うことから,溶射現象の模擬として関与因子の設定が比較的容易な自由落下実験を行い,基材温度変化に伴うスプラット形態および凝固組織の変化の様相を調査した.その結果,室温基材上でのスプラット縦断面凝固組織は徐冷却による等方的な粗大結晶粒を呈するのに対し,高温基材上での結晶粒組織は,厚さ方向に急速に凝固した微細な柱状晶組織を呈することを明らかにした.この要因として,室温基材上でのスプラット裏面が多孔質凝固組織であったことから,スプラット/基材界面接触抵抗が大きかったためと推察した.そして,スプラットは基材衝突直後に液膜が急速に拡大偏平することにより形成され,スプラッシュの発生は急速流れによる液膜先端部の不安定性に起因することを示した.さらに,多孔質なスプラット裏面凝固組織の発生機構には,基材へのぬれ性が関与していることが推測されることから,減圧中での自由落下実験を行い,基材温度変化に伴うスプラット形態および凝固組織の変化の様相を調査し,粒子偏平に対する濡れ性の影響について検討した.
IJ-21-2000
「Friction Stair Welding(FSW)の現状と今後の動向」
IJ-  -2000
 「電気・鉄道車両機器のろう付」
日立製作所 日立研究所 岡村久宣

 電機・車両機器では溶接部およびろう付部に対して高強度、耐震性、耐熱性、耐食性、耐環境性などのすべてに高品質・高信頼性が要求されるため、高度の接合技術開発が要求されている。その代表例として、水冷タービン発電機固定子コイルのろう付、および新幹線車両に採用されたハニカムパネルのろう付が紹介された。発電機コイルのろう付では、ろう材の高い浸透性と流れ落ちを抑制する新ろう材の開発および施工技術の開発により、ろう付欠陥を激減させ、高い信頼性のあるコイルを製作できた。また、ハニカムパネルのろう付では500系車両製造に適用され、東京-博多間1日8往復で無事故運転されている。
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