H-2Aの第一段エンジン　　LE-7A	ノズルスカートの断面構造
	上図のAA断面とBB断面相当部の写真 (断面BBのチューブ外径は約10mm)
ろう付により組み立てられたロケットエンジンのノズルスカート   H-2Aロケットは第一段と第二段の二基の液体水素/液体酸素エンジンを搭載している。ロケットエンジンのノズルスカートは高温高速の燃焼ガスを効率よく 噴射させるためのもので、耐熱合金の薄肉チューブを円錐状に並べ、チューブ間をろう付して構造体化したものである。 　燃焼室から噴出される高速ガスの温度は約３０００℃であり、耐熱合金といえどもそのままでは容易に融けてしまう。そのため、ノズルスカートの壁面を構成 するチューブ内には燃料である液体水素(-253℃)を流して冷却する。第一段エンジンでは冷却に使用した水素を回収して燃料としている。ノズルスカート 壁面は液体水素によって冷却されると同時に、水素は余熱され、エンジン全体の熱効率が向上する仕組みになっている。すなわち、ノズルスカートは熱交換器の 働きもしている。 　ろう材はAg-Pd合金、Au-Ni合金などが使用され、炉中ろう付が行われている。また、主噴射器と燃焼室も複雑なろう付によって組み立てられている。 <提供 宇宙開発事業団、三菱重工業株式会社>

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