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マイクロ接合研究委員会 |
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日時:平成10年7月3日 (金) 10:30〜16:50
場所:自動車会館 ( 東京 市ヶ谷 )
【主題 微細バンプ接合におけるバンプ形成技術とその評価】
○ MJS-137-98 「微細バンプ接合におけるソルダバンプに求められる特性と課題」
日本電気(株) 河野英一 加藤芳正 田子雅基 上岡義人 大田広徳 鈴木元治
最新のLSI接合技術の技術動向を明らかにした.ソルダ−バンプによる微細バンプ接合が広く使われるようになり,LSIチップの内部接続ではフリッピチップ(FC)技術が,外部接続用としてBGA・CSPが注目を集めている.次にFC用のバンプ形成技術を各種比較した上で,ソルダ−バンプに要求される特性と課題を述べた.CSPの技術課題としては,熱膨張差による熱ストレスが長期信頼性に重大な影響を与えていることを示した.最後に表面実装技術の時代からバンプ実装時代に変わりつつあることを展望した.
○ MJS-138-98 「ソルダーペースト法による狭小バンプ形成技術の開発」
日立テクノエンジニアリング(株) 岡田浩志 三階春夫
近年,携帯型電子機器は,小型軽量化や高機能化が要求されており,それを実現するために,BGAよりも接続ピッチの微細なCSP(Chip
Size Package)やmBGAと呼ばれる次世代のパッケージの採用が検討され,一部ではFC( Flip Chip
)等を用いて直接基板にチップを実装することも検討されている.本報告ではCSPのバンプとBGAやCSPの内部接続で使用されるバンプの形成を対象に検討する.半導体の製造技術を持つメーカーでは,その工程で使われているメッキ法をCSPのバンプ形成に応用している例が多い.しかしメッキ法では,組成のばらつきや,メッキ時の電流密度の不均一によるバンプ高さのばらつき等の問題が指摘されている.はんだボール法はBGAのバンプ形成で最も実績が有り採用を検討しているメーカも多い.しかし,BGA用のはんだボールに比べてCSP用のはんだボールのコストが低いかというとそうではなく,その差は体積分ほどではない.ソルダペースト法ではペーストの使用量でコストが決まるので,ランニング的に有利である.そこで本報告では,CSPとFCを対象にソルダペースト法によるバンプ形成について述べる.
○ MJS-139-98 「ソルダーペーストを用いた微細はんだバンプ形成技術の開発」
三菱電機(株) 藤野純司 高木誠司 弘田実保
BGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Scale
Package)等近年普及しつつあるLSIパッケージには,外部電極としてパッケージ底面にマトリックス状のボールバンプが形成される場合が多い.このボールバンプの形成法として,かねてからボールセット法とはんだ印刷法が検討されてきたが,現在では生産性や仕上がり精度に優れたボールセット法が一般的である.一方のはんだ印刷法には
,バンプ高さ不足や精度面での問題が存在するが,その材料であるソルダペーストは低コストであり入手が容易であるといった特長を有する.筆者らはこの点に着目し,ソルダペーストを材料とする独自のボールバンプ形成プロセスを開発した.その手法は,なめらかな表面を有するベース板上に,バンプパターンと同じ開口部を有するマスクを重ね合わせ,形成される凹孔にソルダペーストを充填し,溶融・転写することによってバンプ形成するものである.このプロセスを実現する装置化,およびファインピッチ化を詳細に検討したのでここに報告する.
○ MJS-140-98 「スパーソルダーを用いた半田バンプ形成について」
古川電気工業(株) 日笠和人 天野俊昭
半田によるフリップチップ実装では,インターポーザー側に半田バンプを形成しておく必要があり,当社はSSによる半田バンプ形成方法を提案している.SSとは,古河電気工業とハリマ化成が共同で開発した全く新しい半田プリコート形成方法であり,原理は,半田粉を系中に含まず,有機酸鉛塩と錫からの反応によって,ペースト中に半田を生成し,パターン上に析出させる技術である.基板上への半田バンプ形成について,当社以外に多岐に渡る方法があるが,満足しなければいけない特性がある.1.ファインピッチに追従できること,2.半田ボールの残留がないこと,3.半田バンプの酸化が少ないこと,4.ボイド発生が無いこと,5.選択的(部分的)バンプ形成できること,6.色々な基板電極表面処理に対応できること,7.C4,Auスタッドに対応できること,8.コスト(量産性)に優れていること,の8点である.SSによる半田バンプ形成技術はこれら8個の特性を備えており,既に量産技術として確立している.本報では,個々の特性について詳細に報告する.
○ MJS-141-98 「スーパージャフィット(SJ)法によるはんだバンプ形成技術」
昭和電工(株) 堺 丈和 荘司孝志
半導体は,パッケージの狭ピッチ化,多ピン化が進みにつれて,これに対応できるはんだ供給技術の開発が望まれている.その一つとして,はんだプリコート技術「スーパージャストフィット法」(以下,SJ法と略す)が開発され,0.25mmピッチTCPに工業レベルにおいて応用された.本法は,膜厚の均一性,膜厚の制御性および種々のはんだ組成にも対応できるため,更にSn/Ag系鉛フリー組成で0.12mmピッチのプリップ基板にも工業レベルで応用されており,試作段階であるが,80mmピッチまで対応可能な技術として確立している.また,鉛フリーの時代要請に答えてSn/Zn系組成はんだを約80mm以上に厚付けしてAPR法によって大気中で一括してリフローをおこなう新しい工法も提案している.本報では,SJ法の新しい応用としてシリコンウエーハへのはんだバンプ形成技術について検討した結果について報告する.
○ MJS-142-98 「ディンプルプレート法による微細バンプの形成」
(株)富士通研究所 落合正行 山岸康男
富士通(株) 山口一郎
フリップチップ接合用のはんだバンプ形成技術として,蒸着法,めっき法が実用化されている.しかし,蒸着法はサイズの揃ったバンプが形成できる反面,高額設備に由来する製造コスト高という難点がある.一方,めっき法は低コストのバンプ形成ができるものの,バンプ組成の再現性やバンプ高さの寸法精度に問題がある.われわれは,バンプの高さバラツキが少なく,組成のコントロールが容易で,しかも低コストのはんだバンプ形成技術として,ディンプルプレート法を開発した.ディンプルプレート法は,平板(プレート)に作製した窪み(ディンプル)にはんだペーストを充填し,融点以上に加熱してボールを形成した後,ボールをLSIに加熱転写してバンプを形成する.高さの揃ったバンプを形成するには,はんだペーストを充填する窪みの寸法精度を高めて,容積バラツキを低減することが必要である.容積バラツキの少ない窪みの形成技術としてマイクロマシン加工技術の1つであるSiのアルカリ異方性エッチング技術を採用した.これによって,Si単結晶面に容積バラツキの少ない微細な窪みを狭ピッチに形成することが可能となり,結果的に高さ均一性に優れた微細なバンプを狭ピッチに形成できる.また,プレート材質をSiとすることによって,はんだボールを加熱転写する際に,熱膨張に伴うLSIウェハ電極との位置ずれを回避でき,広い面積に一括してはんだボールを転写できる.ディンプルプレート法は,ピッチ150〜210mm,チップ当りのバンプ数 数千〜1万のベアチップ実装用LSIの製造に実用化されている.ここでは,Siディンプルプレートとそれを用いて形成したバンプについて述べる.
○ MJS-143-98 「ディップ法を用いた極微細ピッチバンプの形成技術」
松下電子工業(株) 中岡由起子 松村和彦 長尾浩一 河北哲郎
近年,半導体の機器に占める割合が高くなるに伴い,半導体実装技術分野においては低コスト,かつ高密度な実装を可能にする技術が必要になっている.現在,表面実装の主流となりつつあるBGA/CSPだけでなく,更なる高密度実装を狙ったフリップチップのベアチップ実装技術においても,狭ピッチ化,微細電極化を進めた技術開発が各社様々な方法で進められている.しかし電極微細化にも課題は多い.高密度実装の実現や,電気特性の向上が期待できるバンプの微細化,狭ピッチ化は,当然,高精度にバンプ形成を行うための複雑なプロセスや高額設備が必要になり実装コストは高くなる課題がある.そのため,実装コスト低減のためのアプローチが必要となるが,電極・バンプ形成方法の低コスト化はもちろん,チップ面積縮小によるチップ製造コスト低減も有力な手段となる.そのためのアクティブエリア上へのバンプ形成技術が注目されているが,この方法には接続時の荷重負荷による応力問題,素子へのダメージなどの課題があり,今後はこの様なダメージフリー接続技術の開発が進められるこが必要であろう.現在,我々はこのような要求を満たすために,3次元化実装技術としてフリップチップ実装技術を用いたCOC(Chip
on
chip)技術の開発を行っている.このような構造のCOC技術において,今回,低コスト化バンプ形成方法の検討を行った.バンプ形成においては,従来から用いられている共晶はんだを用い低コスト化を目的に,ディップ法によるバンプ形成を検討した.またバンプが形成されるアルミ電極は,はんだ付着性を高めるために表面改質を行う必要があり,このため無電解めっき法を用いてNiAu層をアルミ電極上に形成した.今回,このバンプ形成方法を評価すると共に,バンプサイズ60mm以下(ピッチ80mm以下)の微細電極,微細ピッチへの適用を検討し,形成条件によるはんだバンプの形状安定性を評価,バンプ高さバラツキ低減の傾向を確認し,その実現性を明確にしたので報告する.
○ MJS-144-98 「シングルバンププルテスト方式によるはんだバンプ接合強度試験事例」
(株)アークテック 工藤哲也
(株)デンソー 渡辺雄介
電子機器の高密度実装はファインピッチマイクロソルダリング接合技術の向上にともないBGA・CSP等のSMT化が急ピッチに進められており今年に入って量産化の動きが一段と活発化してきた.実装技術においてははんだ接合信頼性は最重要管理項目の一つであるが品質・信頼性面から実装メーカ,デバイスメーカ,材料メーカ,基板メーカなどの中間点に位置している「はんだ接合部界面強度試験」は未だ,その手法が確立されないでいる.そこで本報では,はんだボール/バンプの接合界面強度試験の事例を報告する.
○ MJS-145-98 「X線透視検査技術とBGA/CSP評価」
ダイヤセミコンシステムズ(株) 向山敬介
トモシンセシス(Tomosynthesis)技術により両面実装基板の分離X線検査が可能となった.対象物に対してX線を斜め方向の複数の角度から照射することで,複数の撮像画像が生じる.これをソフトウェアで処理することによって基板の上面部,下面部の実装部品を分離し,各々を自動検査が可能となった技術である.検査機本体に1度通すことで両面検査が可能となる.またトモシンセシス技術は基板と同じ水平方向に対してCTスキャンのようにX線の断層画が取得できる.しかし部品を切り出してのCTスキャンにおよばず,断層方向は基板に対して,水平のみ,断層数は40mmピッチで18段階と条件が付く.従来の自動外観検査機などと比較すると,BGA/CSPなど外から見えない箇所が検査できる利点は当然であるが,他の部品においても,直接はんだの厚みが測定できること,隣接部品の影,2次反射など周囲の影響を受けないことから誤判断が少なく精度の高い検査が可能である.
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