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マイクロ接合研究委員会 |
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日時:平成11年10月29日 (金) 10:30〜17:00
場所:自動車会館 (東京 市ヶ谷)
【主題 ソルダリング装置の最新開発動向】
○ MJS-159-99 「ソルダリング装置開発の経緯と最新動向」
沖電気工業(株) 武井 利泰
ソルダリング装置の開発は,電子機器組立てにおける実装形態,特にプリント配線板と電子部品,半導体パッケージの開発と共に発展してきたといえる.第1世代の糸はんだ手付けの時代から,第2世代のプリント配線板が登場と共に考案された静止ソルダ槽による一括ソルダリングの考え方,更にはコンベア自動搬送による自動噴流ソルダ槽の登場(第3世代),そして表面実装部品の登場に対応したダブルウェーブ槽とリフロー炉の登場(第4世代)から,今日の第5世代といわれる複合実装・環境実装に対応したソルダ槽,リフロー炉の開発が行われ,21世紀へ向けて更なる開発が行われているのが現状である.また同じタイプのソルダリング装置であっても,細部ではいろいろと工夫されたソルダ槽,リフロー炉が開発・提案されている.本論はこうしたソルダリング装置開発の経緯の中から,特に第4世代,第5世代において開発・提案されてきたソルダリング装置について,その基本を原点に筆者らが装置メーカと共同で開発してきた実例や,最近の鉛フリーソルダリング対応例等を参考に,その最新動向について述べることにより,鉛フリー実装の開発要求により,ソルダリング品質に占める装置要因は従来以上に重要となることが報告された.
○ MJS-160-99 「古河電工のリフロー装置」
古河電気工業(株) 濱田 正和,松岡 太郎
古川電工における,鉛フリーはんだ付け技術に対応するリフロー装置について報告する.鉛フリーはんだ付け技術に対応するには,大きく次に示す要求事項を満足させる必要がある.(1)はんだ付け時,各電子部品間の温度差を極力小さくする.(2)温度制御が従来にも増してシビアになるため,設定された温度プロファイルに対する再現性が良いこと.(3)はんだ濡れ時間を確保すること.このような要求条件の内,リフロー装置を設計する際,特に問題になるのははんだ付け温度での各電子部品間の温度を如何に縮めるかということである.この要求条件を満足させるためには,当社が従来より進めてきた赤外線と熱風による併用加熱方式が最も優れていると考えている.今回の発表では,再度併用加熱方式の考え方んぼ基本を再度説明すると共に,はんだ付け時,各電子部品間に発生する温度差はどのようなメカニズムで発生するかを明らかにし,その結果,理論的にはIRと熱風を組み合わせた併用加熱方式が優れている.しかし,実際のリフロー装置を設計するには,様々な機械設計上の制約があり,理想状態に近づけるには更なる開発が必要になってくる.今後とも,努力を続けていきたいという報告がなされた.
○ MJS-161-99 「鉛フリーはんだ対応リフロー装置」
日立テクノエンジニアリング(株) 別府 紀夫,和田 正文
現在実用化が考えられている鉛フリーはんだの大部分が,従来のSn―Pb共晶はんだに比し,融点が30℃〜40℃高いために生じる問題で,従来のリフローでは使用が困難な事が判明している.これを解決するには,部品の耐熱温度を上げることも必要であるが,装置メーカーとしては,鉛フリーはんだの特性に合わせた機能を持つ,リフロー装置を提供する必要がある.当社では,従来から持っている,各種リフローの技術を生かし,鉛フリーはんだ対応リフロー装置を開発したので紹介する.この装置は,次のようなものである.(1)部品本体とはんだ付け部の温度差最小化を図るために,加熱方式を,熱風強制対流加熱と遠赤輻射加熱の併用式とし,熱風の風量を従来より増加した.(2)溶融温度に近い温度でのはんだ付けを実現するために,加熱ゾーンを合計6ゾーンとし,熱風,遠赤温度の設定が各ゾーンで可能とした.(3)濡れ性の改良の為,窒素雰囲気リフローとする.特に,リフロー部は,O2濃度100ppm以下とした.開発したリフロー装置の性能確認には,アルミ電解コンデンサーを両面に実装した基板でプロファイルを測定した.その結果,各ゾーンの設定温度,風量を各種検討し,最適なものにすることにより,部品ボディーのピーク温度230℃,はんだ付け部220℃以上,200℃以上60秒以下,O2濃度100ppm以下,の結果が得られた.今後さらに各種はんだ,基板についても性能確認を実施していく予定であることが報告された.
○ MJS-162-99 「窒素リフロー装置」
スピードラインジャパン(株) 青木 健二
スピードライン・ジャパン(株)は英国クックソン社の傘下企業でエレクトロバート社,MPM社,キャメロット社とアクセル社を統一した会社で世界中に販売,サービスを拡販しております.我国では,BGA化,及び鉛フリー化が進展している中現在リフロー装置の温度分布の均一性が大変重要視されております.各社ではさまざまな開発改良が行われている中,今回スピードラインエレクトロバート社にて,長年のノウハウを蓄積し開発した窒素雰囲気リフロー装置オムニフローことが報告された.
○ MJS-163-99 「ウェーブはんだ付けにおける加熱パラメータの一考察(Sn-3.5Ag-0.75Cu鉛フリーはんだ)」
(株)タムラFAシステム 岡野 輝男,谷地 正光,阿部 宣英
従来ウエーブはんだ付けはポンプ羽根をモーターで回転させ,ケーシング等で溶融はんだの導出路を形成し,ノズルから噴流させる機械ポンプ式で行われてきた.この方式は1)基板の進行左右端の高さのバラツキ,2)定在波の反射等による波高の変動,3)ポンプ回転数VS波高の非直線性等の特性を有していてこれらの安定化のため複雑なケーシング構造にならざるを得ない欠点があった.当社はこれらの特性を一気に解決するリニア誘導モータの原理を応用した電磁ポンプ式噴流はんだ槽を開発した.また,鉛フリーはんだ付けは関係者の努力により試用から一部実製品生産実用化段階へと確実に進展しつつある.しかしながら,鉛フリーはんだは従来共晶はんだに比し融点が高く(凝固点も高い),4)酸化され易い,5)スルホールのフローアップが低い.特性課題が指摘されており,特にフローアップでは前述機械ポンプ式の特性1),2)が重要な負の要因でもある.電磁ポンプ式はこのような観点から,鉛フリーはんだ付けに最適なシステムであると考えられる.今回,この電磁ポンプ式はんだ付け装置を使用し鉛フリーはんだのスルホールフローアップの,装置側の対応のみで,更なる改善を意図してはんだ付け各種加熱パラメータ中,基板の予備加熱に的を絞り簡単な実験を試みたことが報告された.
○ MJS-164-99 「鉛フリーはんだ対応フローはんだ付装置の開発動向」
千住金属工業(株) 中村 秀樹
鉛フリーはんだ実用化の研究開発を行ってきた過程で,フロー装置によるはんだ付けから,特にスルーホールのフローアップ現象についてSn-Pb共晶と各種鉛フリーはんだの相違点,及びそれに基づいてのはんだ付けの考え方,フロー装置について紹介する.本稿では,鉛フリー対応フロー装置SND−300N2を使用して,各種はんだの設定温度を溶融ピーク温度より+20〜40℃の範囲で,さらに雰囲気を大気(AIR)とN2にして,設定温度と雰囲気によるフローアップの差異を観察した.評価方法は,フローアップ部の断面観察からフローアップ高さを測定し,各条件別に比較観察を行った.これらの結果から,鉛フリーはんだ使用したをフローアップに関して,フロー装置はN2雰囲気が非常に有効な手段であること,また,はんだ溶融温度はピーク温度+30〜40℃が必要という目安が付けられたこと,更に,N2雰囲気とAHWシステムを併用することにより使用設定温度を低めに設定することが可能ということが報告がされた.
○ MJS-165-99 「鉛フリー対応フロー装置」
日本電熱計器(株) 武田 登志夫,今村 桂一郎
地球環境保護の強い要請から,従来使用してきたはんだ中の鉛を排除した,所謂鉛フリーハンダの研究が学会,業界において進展している. 長年業界に自動ハンダ付け装置を供給してきた当社においても,鉛フリーハンダに対応するハンダ付け装置を開発するべく,ハンダのぬれとブリッジについてその特性を錫−鉛共晶ハンダ(H63A)と比較調査を行った. 本稿ではその結果と,それに基づき当社で考える鉛フリーハンダに対応するハンダ付け装置の内,フローハンダ付け装置について,1.ハンダ槽1次,2次吹き口の新規開発によるハンダ付け品質の向上.2.省エネを意識した低容量タイプ及びメンテナンスを簡素化したハンダ槽の開発.3.フューム回収効率の向上,及び産業廃棄物として分別を容易にしたフィルター開発とコストダウンの検討.等々のテーマがあるが有ることが報告された.
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