溶接法研究委員会は、1960年に設立され、この間、各溶接施工・システムと溶接プロセスのハード及びソフトウェアの開発と改良を中心として特に「実用化研究」に主眼をおいて研究活動を行ってきました。2009年からは、「科学と技術の融合」を目指し、溶接アーク物理委員会と統合し、現象解析やモデル化・シミュレーションなどの基礎研究にも取り組んでいます。

主な取り組み課題は以下の通りです。

• （１） 溶接施工の高能率化、高速化、品質安定化、知能化、CIM化等を目的とした自動化生産システムに関連する溶接・接合（アーク溶接、レーザ溶接など）プロセスとその周辺技術の開発ならびに改良、実用化。
• （２） 溶接電源、溶接制御システム、センシング・モニタリング、ファジイ・ニューラルネットワーク、各種モデリング・シミュレーション等、溶接コンピューティング、ロボットシステムの開発と改良、実用化。
• （３） 溶接物理現象、アークプラズマの特性と挙動、熱・物質輸送現象等の解明・モデル化などの基礎的研究とそのシミュレーションなど応用技術の開発と改良。
• （４） 新材料や高機能材料の高品質・高効率溶接法の確立、高速・高精度・高品質溶接のための高機能溶接ワイヤ、溶接電極、シールドガス等の開発、レーザ・アークハイブリッド、摩擦攪拌接合、アディティブマニュファクチャリングなど非アークプロセスも含めた最新の溶接プロセスの開発と実用化。

また、エポック的な話題に焦点をあてたガイドブック等の冊子を発刊するとともに、講習会、セミナーなどを随時開催することにより、技術の紹介、啓蒙を実践しています。さらに、国際活動として、 IIWへの貢献を進めるとともに、学協会の関連部門と連携した活動を展開しています。

溶接法研究委員会　委員長

田中　学